

毎年冬になるとインフルエンザが猛威をふるい、学校などでも学級閉鎖が相次ぎます。インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症で、流行性感冒とも言います。稀に、二次感染で合併症を起こし、命を落としてしまうこともある怖い病気です。『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』でも。『五類感染症』に定められている病気になります。

インフルエンザ(流行性感冒)と風邪(普通感冒)の違いは、病気の元になるウイルスの種類が違います。風邪の場合は最初、喉や鼻の症状で現れますが、インフルエンザの場合はいきなり38〜40度の高熱が出ます。風邪の場合は温かくして安静にしていれば症状もすぐに治まりますが、インフルエンザの場合は倦怠感や筋肉痛、関節痛などの強い全身症状が出るのが特徴です。また、風邪のように比較的症状が治まるのとは対照的に、5日間ほどこの辛い症状が続きます。
インフルエンザ |
風邪 |
|
原因 |
インフルエンザウイルス |
細菌 |
感染 |
主に飛沫感染 |
主に接触感染 |
症状 |
突然の38度以上の発熱 |
くしゃみ・咳 |
広がり |
膨大な数の人に短期間でうつる |
徐々にうつっていく |
重症度 |
65歳以上の高齢者で死亡率が高くなる |
変化なし |
その他 |
肺炎などの合併症があり、重症化することがある |
発熱はインフルエンザほどではなく、重症化することはほとんどない |
インフルエンザは、かかった本人もとても辛い思いをしますが、うつされた人もかなり辛い思いをします。普通の風邪で一番多いのが、手から手による接触に対し、インフルエンザはくしゃみや咳、痰からの微粒子からうつる飛沫感染が一番多いのです。インフルエンザにかかった人がくしゃみをして空気中にウイルスを吐き出すと、空気中にいるウイルスが、他の人の呼吸によって体内に取り込まれ、インフルエンザにかかってしまいます。

風邪かインフルエンザか自己判断するのは絶対にやめましょう。風邪だと思って市販の風邪薬を飲んでもインフルエンザに効果はありませんし、熱が高いからといって自己判断で解熱剤を使用すると、それが子供の場合、アスピリンを含んだ解熱剤や風邪薬だと、取り返しのつかない合併症を起こしますので、絶対に自己判断で薬を使うのはやめましょう。特に、インフルエンザが流行っている時期に、風邪なのかインフルエンザなのか判断できないことがあります。急激に熱が上がったと思っても、実はじわじわと上がってきていて、ただの風邪だったり、インフルエンザ特有の症状がなく、熱も高かったけれどすぐに引いてしまったから風邪だと思い、そのままにして周囲にインフルエンザを蔓延させてしまったりしますので、必ず医療機関を受診するようにしましょう。病院から風邪のときにもらった抗生物質が余っているからといって服用しても、インフルエンザはウイルスによるもので、抗生物質は細菌に効果のあるものなので効き目はありません。
余談ですが、以前薬局務めをしていたときに、インフルエンザの予防のために風邪薬を飲むと言って、購入しにきたお客様がいましたが、風邪薬を飲んでもインフルエンザの予防にはなりません。病院に行くことをお勧めしたのは言うまでもありません。

インフルエンザにかかるといきなり高熱が出ます。平熱が低い人がインフルエンザで高熱が出るとかなり辛いでしょう。自分も平熱が35度代ですが、40度の熱を出したとき、熱でうなされるというのは本当になるんだと実感しました。ウトウトしていても、自分のうなり声で目が覚めるのです。
さて、そこで体温の話しですが、私たち人間は体温を一定に保つようにできています。脳の視床下部にある体温を調節する機能が働くからです。普通、平熱は36.5度前後で、時間帯や食前食後、運動や気温などでも変化するものです。体にウイルスや細菌が入ると、体温調節中枢の司令によって発熱して退治しようとしますが、この体温調節中枢は、42度を超えないようにもなっています。体温が42度を超えてしまうのが長く続くと、体を組織するたんぱく質が凝固してしまい、生命を維持していけなくなってしまいます。そのため、体温計も42度までしか測ることができません。それ以上は必要ないからです。